ドラマな恋 二者不択
ひとつのドラマには、大抵、
対立する、並列する2人のキャラクターがいる。
恋敵、仕事のライバル、相棒的な存在などなど。
そのとき、大抵、
どちらかに肩入れしたくなる。
恋愛的なところいうと、
『梨泰院クラス』の主人公パク・セロイのとなりには、
イソとスアがいた。
私はいつの間にかイソのファンになり、
イソとセロイがうまくいくことを願っていた。
『プロミス・シンデレラ』では、
二階堂ふみさん演じる早梅を想う兄弟がいて。
岩田剛典さん演じる兄の成吾と、眞栄田郷敦さん演じる弟の壱成。
もともと岩田さん好きのくせに、弟の壱成を応援していた。
と、
見ているうちに、どちらか派に自然となっていくものなのに…
例外的なドラマがひとつだけある。
昨年秋の金曜ドラマ『最愛』。
漫画や海外モノをドラマ化することが多い昨今、
完全オリジナルシナリオという点でも話題になった。
かなりファンの多い、人気のドラマだと思う。
サスペンスドラマというカテゴリーなのに、
大人純白キュンキュンシーンが多い。
以前、男友達が、「おじさんだってドラマを見てキュンキュンしたいんだ」と
言っていたのをなぜか思い出した。
大ちゃんの「好きやよ。」はネットでもかなりの反響だった。
この松下洸平さん演じる宮崎大輝は、
主人公・吉高由里子さん演じる梨央の幼馴染であり、
数年後、刑事として梨央の前に現れる。
そして、梨央の会社の弁護士として、いつも隣にいるのが
井浦新さん演じる加瀬賢一郎。
梨央を守るナイト的な存在として、大ちゃんと加瀬さんがいる。
それぞれが別の立場で、別の感情が入り混じった梨央への「愛」。
大ちゃんが赤い炎なら、加瀬さんは青い炎。
それぞれの信条で、それぞれの愛を貫く2人。
大ちゃん〜!と心を持っていかれた後に、
加瀬さ〜ん!と揺り戻される。
その繰り返し。
毎話、大絶叫してしまい、家族からはキモがられた秋だった。
結局、2人から1人を選ぶことは最後までできなかった。(誰も頼んでない!)
最後、話の流れ上、加瀬さんに肩入れしてしまうのだけど。
最後の最後まで、見返りを求めない愛。
(不幸だと思う方に肩入れしたくなる性。
加瀬さん自身が不幸と思っているかは別として。)
思い返せば、
梨央の「助けて」のメールに、
加瀬さんが「了解」とだけ返すシーンが
ベストワンシーンだったなあ。
以前から好きだった井浦新さんと松下洸平さんだが、
『最愛』を経て、私の最愛ゾーンに入られたのだった。
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